建築用語集       

匠 総合事務所提供

スリット


 鉄筋コンクリート造においてスリットとは一般的には隙間のことだが、耐震的な配慮でいれる構造スリットを意味することが多い。耐震スリットともいう。意匠的な外観は連続していることもある。  

 構造スリットとは、建物が揺れたときに、建物の一部に集中的な力がかかるのを防ぐために、柱や梁と壁を構造耐力上切り離すように入れる構造設計上の隙間である。

 下の写真のようにスリット部分には鉄筋を連続させずに、硬質ウレタン製などのパッキンを挟むことが多い。ただし、亜鉛メッキした補助的な鉄筋を入れて、柱と壁をゆるく繋いでおく。下の写真は、硬質ウレタンのパッキンを補強筋が貫通している。

 スリットはコンクリートが連続していないので、雨水が差したり、耐火構造上の弱点になりやすい。スリットに挟む部材は耐火仕様を満たす必要がある。  

 腰壁がつく柱(下図の矢印部分)は応力が集中しやすいので、スリットを設けることが多い。スリットを入れると柱の強度は保たれるが、柱+腰壁の強度は落ちる。ベランダなどではパッキンを入れずに、隙間のままとすることもある。

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