刃物を研ぐための石のこと。
砥石は、荒砥、中砥、合せ砥(仕上げ砥)と、3種類の順に細かくなっていく。天然の砥石は産出量が少なくって高価になっており、安価で均質な性能が確保できる人造砥石に変わっている。
天然砥石には水で湿らせる程度で砥糞を落とさぬように使うが、人造砥石は充分に水を吸わせてから使用すること。荒砥は200~300番程度、中砥は800~1200番程度、仕上げ砥は4000番以上くらいが使われている。
研ぐとは刃物を研磨材をはさんで、砥石のうえで移動させることである。砥石から流れ出る研糞が研磨材なので、少し水を加えながら砥糞をペースト状に保つことが秘訣である。
刃物と接する砥面(とづら)を、刃物の刃線と一致させないと、望む研ぎができない。そのため、砥台もしっかりしたものが必要である。下の写真のうち、上は天然の仕上げ砥、下は人工の中砥である。
砥石は砥台にのせて使うものだが、立って研ぐ場合には砥台の意味があまりない。しゃがんで研ぐ場合には、台の斜めの部分を足で踏んで固定し、額を砥石の上に乗せるような気持ちで使う。なお、砥面(とづら)は常に平面を保たないと、刃物が丸刃になってしまう。
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