チョン掛けとは、大鋸とよばれる木挽き用の鋸の刃のことで、下の図のように先端にフック状の刃がついている。
チョン掛けが付いているために、刃先の強度を保ったまま刃の勾配を急にすることができる。なお、チョン掛け部分だけ焼き入れし、鋸身部分は鉄のままで鋼ではない。
チョン掛け刃で挽いた鋸屑は粉々にならず、クルクルと丸くなって刃幅のままで長くなってでてくる。あたかも幅の狭い鑿でさらうように、軽く大鋸を挽くことができる。
チョン掛けの刃を目立てするための鑢(ヤスリ)を、チョン掛け鑢(ヤスリ)という。西洋鑢とちがって、押しても引いても効く。木挽きが消滅し鍛冶屋もいないため、もはや入手が不可能であろう。
下の写真は全長13センチ、鑢部分の長さ7センチのチョン掛け鑢である。菱形断面をしている。
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