鋸で製材しただけの状態である荒(粗)木に、最初に使用する鉋のこと。
削る仕上げの程度が上がっていくにつれ、中仕子→上仕子(合わ鉋)と鉋の呼び名が変わる。しかし、鉋そのものに違いがあるわけではない。
木材と接する面の仕立てかたや、刃の作り方=研ぎに違いがあるに過ぎない。そのため、各職人が使い勝手にしたがって仕立て、各自が使い分け、かつ呼び分けている。
荒仕子は、凹凸の激しい表面を削るので、刃を多めにだして使う。そのため、鉋を引くときの抵抗が大きいので、中仕子以上が1寸8分(54ミリ)幅であるのに対して、1寸6分(48ミリ)幅の狭い鉋がもちいられることもある。
荒仕子鉋の下端はほぼ平らで、上仕子になるにしたがって、鉋下端の隙取り(すきとり)を大きくしていく。
柱材のような角材は荒仕子→中仕子→上仕子(=合わ鉋)と仕上げていく。しかし、薄い板材は板が反ったりして、鉋での入念な仕上げに適さず、荒仕子→中仕子の2枚で止めることが多かった。
非常に凹凸のある面を削る鉋は、鬼荒仕子と呼んで、荒仕子よりも前につかった。
参照=鉋(カンナ)
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