明治以前に使われていた釘のこと。
現在使われている丸釘は普通の鉄であるが、和釘は焼き入れをした鋼鉄でつくられている。そのため、錆び①にくく、きわめて長い寿命がでる。
和釘は下の写真のように、先へいくに従って細くなっているので、玄翁で叩いて打ち込むことはできない。
和釘を打ち込むには、まずドリルなどで道穴を掘って釘をおさめ、最後のわずかな長さだけを叩いて打ち込む。道穴を掘る時に使われる鑿(のみ)をツバ付き鑿といい、ツバを下から叩いて鑿を抜き、それを繰り返して道穴を掘った。
道穴を掘るのは手間がかかったので、和釘を打つのはきわめて根気のいる仕事だった。また抜くのにも手間がかかり、閻魔様という釘抜きで摘まんで抜いた。
丸釘でも、短いものは玄翁で打ちきれるが、4寸(120ミリ)をこえる長い釘は道穴をつけてから、打ち込まないと曲がってしまう。
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