貫とは真壁において、柱と柱を貫通して連なり、壁の下地になる水平材。
木造軸組工法にあっては、15×45もしくは15×90の杉材を使うことが多い。胴貫(縁)ともよぶ。一番上の貫は天井貫と呼び、上から順に内法貫、腰貫、地貫という。
この材料自体のことを貫ともよび、他の目的に使われても、貫と呼ばれる。15×45サイズのものは、半貫(はんぬき)といわれる。
かつては貫が構造材でもあったので、30×100位の部材を使い、柱を貫通させて楔(クサビ)でしめた。貫で建物を支える構造を貫構造という。
貫構造は貫が柱を貫通しているので、通し貫ともいった。木造軸組工法をラーメン構造化する工法なのだが、木造の接合部は木が互いにめり込むので完全な剛接合にはできず、少し揺れて地震による水平移動を吸収した。
上棟後では通し貫にするのは不可能なので、柱を地上に並べて貫をとおした後で、大勢の職人たちがすべての柱を一斉に立ち上げた。
たとえば、南面なら南面の1列の柱をならべて、貫をとおしてたちあげ、次に2列目の柱に貫をとおして、たちあげる作業をくり返していく。その間に東西方向の貫をさしていって完成させた。
貫構造の家はごく僅かだが、揺れることを前提していた。揺れのため壁の散りが切れるので、定期的に左官による補修が必要だった。
参考:間柱
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