建築物の各部分の高さを、検棹に原寸で書いたものを、大工たちは矩計と呼んだ。矩計をもちいて、柱や梁などの部材に墨付けをした。
それから転じて、建物の標準的な高さ関係、納まり、仕様などを示すために、軒先を含む屋根から基礎までを詳細に描いた断面詳細図を、矩計図という。
断面図は高さ関係を表すだけなので、縮尺1/100~1/200で描かれる。それに対して、矩形図は詳細図でもあるので、縮尺は20分の1~50分の1で描かれる。
下図のように建物全体の断面を描かないこともある。下図のような矩計図を、棒状の矩計として棒矩(ぼうかな)と呼ぶ。棒矩で用は足りるが、やはり全断面の矩計図を描くべきだろう。
木造住宅では、矩計図が断面図を兼ねることが多い。
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