建築用語集       

匠 総合事務所提供

灰汁洗い
(あくあらい)


 灰汁(あく)とは 植物の灰を水で浸出した液。この液は汚れ落としに有効で、しかも酸と相反する性質をもつ。主成分は、陸の植物の場合は炭酸カリウムK2CO2,海の植物の場合は炭酸ナトリウムNa2CO2である。灰汁抜きに用いることから、古くなって埃だらけになった建物の美化にも用いる。

 建物の灰汁抜きすることを、灰汁洗いといい、木造建物の灰汁洗いを業とする専門職がいた。たんに洗いと言うこともある。

 灰汁洗いといっても、大量の水をかけて洗うわけではない。特別に調合した液体を刷毛で塗った後、少量の水をかけて灰汁をふき取るだけである。これによって、汚れ落とし、染み抜き、漂白などを行う。そのため室内にも施工でき、和室の木部なども灰汁洗いによってきれいになる。社寺仏閣など、木部を露出した建物に適する。簡単な灰汁洗いなら、塗装屋でもできる。

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