骨太の組子を入れた建具で、縦に組子が入ったものが多いが、枡目に組んだものもある。
格子戸は、建具によって空間を二分したくないが、そこに区切るものがないと、自由に出入されて困る場合に利用される。格子戸は空間を区切る役割をもつから、建具だけとしてでなく、むしろ建築の一部として考える必要がある。
格子の太さなど形態と同時に格子の間隔が、前後の部屋とか庭とか路地とかの空間に与える、目にみえないつながりを意識させる。気配を支配する建具であるから、光線をとおした、目にみえるつながりを考えられなければならない。格子だけが、見た目に美しくあればよいというものではない。
格子間がすけて前方の物が見えるとか、光線が通るということが良い雰囲気を作るので、図面で充分というデザインをすると、実物ではうるさくなる。とくに光線がはいる場合は、よほど細くしないと失敗する。格子戸の組子が、少しでもまがると目立つので、素姓のよい柾目材を使うほうがよい。
下の写真の建具は、縦格子が途中で横桟で固定されておらず、それでも曲がったり狂ったりしていない。素晴らしい木取りである。
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