施工者や現場監督がおこなう監督業務は管理といい、設計者が設計図通りに施工されているか、監督する業務を<監理>と呼ぶ。
一定規模以上の建築物には、監理が義務付けられており、建築主への監理報告書の提出が法定されている。
設計者にとって、何をどう、またどこまでを監理するかは、なかなかに難しい問題である。たとえば、コンクリートが打設後になって、所定の性能が出ていないことが判明した場合、一度解体して再打設することが原則である。しかし、コンクリートの打ち直しは時間がかかり、工期を大幅にはみ出すことになる。また、お金もかかるので施工者は歓迎しない。
設計者が監理者でもある場合には、コンクリートの打設に設計者が立ち合えば良いのだが、打設の手配には設計者の手の届かない部分もある。コンクリートの性能不足の責任は第一義的には施工者が負うが、監理者はそれを是正する責任を負う。
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